2012年01月15日
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続・CAPTAINアリスの憂鬱

Written By: 川俣 晶連絡先

「さて、CAPTAINアリスの話題はオーマガでも順調にカウントが伸びない。まさにガン無視状態だ」

「どうしてなんだろう?」

「更に理由が見えてきたぞ」

「なんだよ。びっくりする理由があるのかい?」

「そうだ」

「その理由ってなんだよ」

「順を追って話そう。府中の巨艦店で4巻と5巻も確保できた。既刊は全て確保したことになる」

「そうか」

「前回やっていた戦闘機が出てこないという問題は、4~5巻で解消されている。まあ必要無いと思うけどね。てこ入れとして戦闘機も出したのだろう」

「なぜ、戦闘機が出ているのに人気が出ないんだよ」

「主役はMIG-25。敵の本命はPAK-FA。他にはミラージュ2000が出てくる。あとフォックスハウンドも」

「なぜそれがダメなの?」

「選択が渋すぎる」

「えっ?」

「空自で採用されている機種が1つも含まれない。在日米軍で使ってる機種も1つもない」

「えー」

「ラプターとかホーネットとかイーグルとか、ともかく日本人から親しみのある戦闘機が大活躍すれば、まだしもそれなりに人気は出たのかも知れない。しかし、そうではない。ロシア機と僅かのヨーロッパ機。しかも、主人公はあくまでダッシュ400ちゃんに乗っていて、当然武装なんてあるわけがない。クルーも多ければ、民間人も抱えている」

「ダッシュ400ちゃん?」

「ボーイング747-400だよ」

「旅客機かよ」

「旅客機でバレルロールするから、こっちは面白いと思う。実際、旅客機でバレルロールという事例が無いわけではないから、過剰なファンタジーというわけでもない」

「ならいいじゃない」

「だからさ。こんな渋い漫画で喜ぶような奴はかなりディープな変態だってことだ」

「普通の人はまず喜ばないってことだね」

「そうだ。明らかに喜ばない」

「どんな人が喜ぶの?」

「少なくとも、『ヨーロッパ機っておもしろーい!』と喜ぶ変態である必要があるな。事実面白いし」

「でも人気が無いんだよね?」

「戦闘機に関しては空自の採用例がないしな。親しみが沸かない」

「そうか、シュペルエタンダールからエグゾゼ撃ちたいとか、そういうタイプじゃないとダメなんだね?」

「それだけでは足りない」

「えっ?」

「更に旅客機にバレルロールさせて燃えるタイプじゃんないとダメ」

「狭き門でありすぎる!」